鳩(ハト)について

ドバトの特徴
ハト目COLUMBIFORMES、ハト科Columbidae 、カラスバト属
Columba のカワラバトColumba livia の家禽化された品種の総称である。ドバトの起源であるカワラバトは、ヨーロッパ・アフリカ北部・アジアに分布し、10亜種が知られている。カワラバトの1亜種であるColumba livia atlantis が、おそらくドバトの起源ではないかと考えられている。ハト科の鳥類は、42属295種が知られているが、国内にはドバトを 含めると4属11 種が記録されている。ドバトは、キジバトと共に、国内に広く分布する代表的なハトである。ドバトには、各種の羽色が知られており、灰二引、灰胡麻、黒胡麻、栗二引、栗胡麻、黒、白、モザイクなど数多くのタイプがみられている。

鳩(ハト)の生態

都会では公園や寺社や駅、マンションなどで、また郊外では、工場団地、橋脚、大型構造物などに普通に見られる嘴の基部(肉質膜)が白いハト。家禽(家などで飼う鳥)として持ち込まれたもので、原種はユーラシア南部に分布し、カワラバトと呼ばれる。様々な品種改良がおこなわれ、ドバトの色彩は様々である。
神社仏閣やレースハトとして親しまれたが、そこから逃げ出して、野生化したものが増殖した。ヒナには雄雌ともピジョンミルクと呼ばれる胃壁を溶かしてつくったミルク状の蛋白質に富んだ嘔吐物を与えるため、真夏と真冬の1ヶ月間を除いてほとんど1年中繁殖する。

鳩(ハト)による被害・病気

私たちにとって身近な存在の鳩(ドバト)ですが、営巣や脱糞による構造物の汚染はもちろん、ダニや寄生虫、フンから繁殖する微生物の人体感染による被害は大変恐ろしいものです。肺炎・肺結核に似た症状で、重篤になると死に至ることが有る「おうむ病」「ヒストプラズマ症」、眼病を引き起こす「ニューカッスル病」から、意識障害、脳障害や流産、死に至るケースが出る「クリプトコッカス症」や「トキソプラズマ症」など、様々な病気を引き起こす菌を媒介する役目をします。

病気の主な症状は下記のとおりです。

病名

症状

ピジョンオーニソージス
(おうむ病)

本来は鳥に感染し、鳥と人の接触により感染する。
軽症では風邪と良く似た症状で、重症になると肺炎のような症状になり、
死にいたる場合もある。
ドバトの糞等に含まれるウイルスが原因でドバトの約50%が
このウイルスを持っていると言われている。
ドバトに接触する機会のある神社仏閣の関係者の
5人に1人が抗体保有者であるという調査結果もある。

脳炎 

ドバトも脳炎ウイルスを保菌する事があり、コダカアカイエカの媒介により、
人間に感染する。

ニューカッスル病

多くのドバトが病原ウイルスを持っている。
人に感染すると、結膜炎等眼病を起こす。

ヒストプラズマ症

ドバトの排泄物に繁殖するカビの一種によって起こる病気で、
肺結核に似た症状を示す。

クリプトコッカス症

ヒストプラズマ症と同様、排泄物に繁殖するカビの一種によって
起こる病気で、軽症では皮膚炎、重症では肺炎に似た症状を呈し、
更には脳内に菌が蔓延し、死に至る。
乾燥状態の糞等とともに体内にはいり発病に至るが、乾燥に強く
2年以上も菌が存在すると言われている。

トキソプラズマ症

妊婦が感染すると流産、或は脳障害児の出産となる場合がある。

サルモネラ菌

サルモネラ食中毒はネズミのみならず、
ドバトの糞によって発生することもある。

日本に生息している鳩(ハト)

日本で繁殖している野生のハトの仲間は4属11 種で、主に6種類。(世界では約300種類近くのハトがいます。)
キジバト、アオバト、シラコバト、カラスバト、ベコバト、キンバト
ハト糞被害で問題視されている「ドバト」は中央アジアやアフリカ、ヨーロッパ等に生息する「カワラバト」の家畜品種で、野生のハトとしては分類されていません。

■キジバト
ユーラシア大陸東部の温帯から亜寒帯で繁殖し、日本では、全国各地で広く繁殖します。北海道のものは冬季、暖地に移動します。
低地から山地の明るい林、集落付近、市街地に生息します。
林床、草地、農耕地などの地上を歩きながら採餌し、主に草や木の実を食べます。また、樹上で木の実を食べることもあります。
繁殖期には、木の上に枯れ枝を積み重ねて、浅い皿形の巣を作ります。通称「山バト」。 最近は、都市にも進出してきてドバトと同じ建造物に共生し、人の生活に密着して生息する傾向になっている。
体は全体に赤紫色を帯び、背中に鱗状の模様があり、ドバトよりひと回り小型。
鳴き声が特徴的で「ドゥ-ドゥ-、ポッポ-」と繰り返して鳴く。

■シラコバト
全長約33cm。薄い灰褐色、白い尾の鳩雌雄同色。 林や河原、住宅地などで生息する。「クックー、クッ」とか「ポッポー、ポッ」と鳴く。
埼玉県の越谷市付近に生息する天然記念物。一時は絶滅の危機に瀕した鳥だが、最近は埼玉東部や群馬県南部でも生息が確認された。 越谷市の鳥とて指定、埼玉県の県鳥にもなっている。

■アオバト
全長30cm。名前の通り全体的にオリーブ色だが、雄は頭から胸にかけてが黄色、腹はクリーム色、肩から羽が暗赤色。一方雌はそれらの箇所もオリーブ色である。広葉樹を好み、単独か、数羽程度の群れを作って行動する。「オーアーオー」と鳴く。樹上に枯れ枝を束ねた皿型の巣を作る。食性は植物食で果実や種子等を食べる。栄養補給のために海岸で海水を飲むことが知られている。 繁殖期は6月~7月頃で、樹上に皿形の巣をつく繁殖は、6月頃に乳白色の卵を1回に 2個産む。繁殖が確認されているのは日本のみ。

■キンバト
こちらも絶滅が危惧されている天然記念物(レッドデーターブック)。
頭部は青灰色、背と肩羽・雨履は光沢のある金緑色で、肩に白斑がある。 雌は雄より総体的に淡い色をしている。生態は不明な点が多い。
全長約25cmとやや小型。キジバトやカワラバトと近似種。
国内では繁殖域は不明な点が多いが、八重山諸島、宮古諸島の広葉樹林に生息分布する。

■カラスバト
本州、四国、九州の暖かい太平洋岸に生息する国の天然記念物(レッドデーターブック)。
樹林の木の実を食べ、体長は約40cmとハトの仲間でも最も大きい部類に入る。
和名のとおり全身が黒いが、背中には紫色、首には緑色の光沢がある。足はピンク色をしている。西日と朝鮮半島、中国東部に分布するが、生息地は伊豆諸島、小笠原諸島、隠岐諸島、五島列島、南西諸島など島などに住み繁殖力が弱いため、個体数が減少している貴重な鳥類のひとつ。あまり人の手の入らない照葉樹林に単独で生息するので、人の目に触れる機会は少ない。「ウウー」とうなるように鳴く。